「ガンパレードマーチ」

高機動幻想ガンパレード・マーチ

オタクでなければこのゲームはわからないかもしれないし、そうではないかもしれない。
「FF7」を絶賛した舌の根も乾かないうちに、PSゲームの最高傑作はこれではないかと思い始めた。なにか後ろめたい気持ちと共に。
いろいろ部分的には似ているものを見つけられるだろうが、総体として似ている物はないだろう。恋愛シミュレーションゲームであり、戦争シミュレーションゲーム。いや、恋愛はしなくていいのかな。でも、不可避的にしてしまうのか・・・。恋愛？・・・学園生活パートと、戦闘パートに分かれている。完全に別なふたつのゲームにもできそうだが、密接に結びついていて、その関係が恐ろしい。
戦闘パートもユニークで面白いのだが、学園パートの生活のシミュレーションが凶悪にユニーク。AIで動いている登場人物との、コミュニケーションによって何が起こるかわからない。やりようによっては同級生たちがどんどん死んでしまう（これは、もういいだろうけれど、ネタバレか。）。それをなんとかしたくならずにはいられない。この同級生たちがオタク風味満点でたいへんなのだが、単純にそれでいやになるわけにはいかないただならぬ気配がゲーム開始からただよっている。衝撃的なストーリー。ストーリーとは言ってもプレイによって姿を見せるものは違ってくる、必然性の感じられる自由度。戦慄。
エヴァンゲリオンの影響などいろいろ言われもしたようだが、たとえ似ていたとしてもそれは重要ではないだろう。くだらないディテールがいくらあろうが、他のメディアの優れた作品と比肩しうる、ゲームでなければ作れないユニークな作品が、あった。