「花園メリーゴーランド」
- 作者: 柏木ハルコ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2001/09
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 51回
- この商品を含むブログ (41件) を見る
性をあつかった作品の中では、最も共感できたものかもしれない。
誰でも性の問題にぶつかる。そのときに社会環境はかなり決定的に影響しているだろう。現在の日本の性への倫理感覚はおそらくダブルスタンダードで、西洋から輸入された感覚と、土俗的な流れがでたらめに変化しかなり無意識の次元で残っている感覚とが、表層と無意識に重層的に存在し、成長過程の青少年に葛藤をもたらしているように思える。表向きは西洋からもたらされたものばかりだし。
柏木ハルコの作品は、そんなとらえ方かどうかはわからないが、本質に肉薄している気がする。特にこの作品で前人未踏のところに踏み入ったような感じだ。土俗的なものを過去に過ぎ去った暗いものととらえていない。暗いのはとらえるものの意識だ。