「ブーンドックス」

ブーンドックス

ブーンドックス

「ブッシュが最も恐れた小学生」なんてサブタイトルがたぶん日本向けに付けられている、日本でいうとたぶん4コママンガ。しかし日本のどの4コママンガよりもはるかに辛辣で政治的だ。日本人にはわかりにくいかもしれないが、共和党が右で民主党が左だとすると、極左かもしれない。ただし、たぶん、「極左」とかいうことばから日本でイメージされるものとは違う。が、天国のマーチン・ルーサー・キングも、このマンガを読んだらおちおち眠っていられないかもしれない。
そして、なんと、圧倒的に支持されているらしい、あの、ブッシュのアメリカで。マイケル・ムーアと似たようなポジションかもしれない。
見かけたことがある人がいるかもしれないが、左から右へコマの順が進むようになっているタイプ。ただ、日本の4コマのように一段で完結するわけではないことも多い・・・あ、そうだ、私はほとんど読んだ覚えはないが、「ピーナッツ」あの有名な犬の出てくるマンガに似ている。と、いうか、実際に作者アーロン・マッグルーダーは、「ピーナッツ」の影響を受けているらしく、間の取り方や、気分などはなにか似ているのかもしれない。

主人公は社会運動にかぶれた(と、わかりやすいように言ってみる)黒人の小学生。弟はギャングスタにかぶれている。その兄弟が何故か白人ばかりの郊外の住宅地に引っ越してきて・・・。とにかく主人公はアメリカ社会の(あるタイプの)常識にことごとく噛みつく。そして、それは私には全く当を得ているとしか思えない。マイケル・ムーアの表現よりも簡潔で辛辣で、しかも清々しいかもしれない。
これを読むことが出来たことは私にとってこの上ない幸福だった。このマンガを愛読するアメリカ人が多いということで、世界も全く捨てたものじゃあないぐらいは、思っていいかもしれない。