無能な人 8

恐ろしいことに就職してから半月が過ぎてしまった。そりゃ、そのこと自体は本当に恐ろしくはないが。
個展までもうひと月しかない。ああ・・・。昨年の個展は自己認識的には最悪で、でもその言い訳になる理由はあったのだが、今年は・・・ないなあ。何が出来るだろう・・・。
その前にちょっとした難関が控えている。今週末が山だ・・・それが終わると個展までひと月を切る・・・。
などと、自分のことをだらだらと書いていることに何か意味があるのかどうかわからない。


その就職先の仕事というもの、何が出来るのか、わからない。今までの仕事のようにゴールははっきりしないし、何をもって成果と出来るのかということも、構成員次第とも言えるし・・・いろいろな仕事があるものだ。
それにしても、これほどまで心の自由を感じた職場ははじめてだ。もしかしたら期限付き雇用だからかもしれない。あるいは・・・。
結局のところ雇用が終わる頃には、あるいはそれよりも前に、これは「建前にすぎなかった」という事になってしまうのかもしれないが、私(達)は、地域のために働いている、のだ。格好を付けているようだが、具体的な身分も単なる雇用対策事業の期限付き労働者で、具体的な作業は日々あるにしても小間使いのようであったと思ったら行政に対して提案的なふるまいも最終的には期待されるらしく(実際はわからない)、本当に期待されるのはある意味、地域を今よりよくする、というような言葉に要約できなくもない。
そんなことを書くと格好を付けているようだけれど、具体的な何かをはっきりさせるために、いちいちそんな言葉に立ち戻らざるを得ないということでもある。


などと、訳のわからないことを書いているので、どこかからこの文章にたどりついた人間がこいつは本当のところ何をやっているのだ、こいつの正体は何だと勘ぐりはじめて私の正体がバレてしまっては困る、なんてちょっと書いてみたけれど、本当はそんなことない。しかし、具体的な話になるとどこまで書いていいのか私には判別がつかないので、何か抽象的な書き方になってしまった。
まあ、うまいはなしがあるわけではないだろうが、少なくとも私は今楽しく働いていて、そんな状態が半ば不思議な感じがしている。
ふつうの仕事ではないような気がしているわけで、しかし、そうなると普通の仕事だと思っていたものというのは、なんだったのだろう。この間の、ちがい、はなんなのだろう。