子供の頃

山道を散歩していて石の形に目をひかれる。
その気になり方が、昔飽きずに石を集めたり、見てたりしていた記憶につながった。あいまいな、はっきりしない記憶であったし、そんなことを思い出したのは初めてとすら思えたが。
それは美術に関わり今もやめようとは思えないことに関係があるように思えた。

その石は道にあるには少し大きく、平らな面がひとつあって、「どうしてこのような形に」、とは思わされたものの、普通は気にとまるものではないようなありきたりのものだった。その目のひかれかたも「感動」などと言うにはほど遠い。