大友克洋

スチーム・ボーイ」は、転けたのではないか。きっと「イノセンス」よりも「ハウル」よりもずっとお金がかかったのに。
まだ見ていない。宣伝がかなり少なすぎるように感じられた。報道も少なく、公開後は絶無だったとすら感じられた。

スチームボーイ 通常版 [DVD]

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このひとの仕事を最後に見たのはオムニバス作品「メモリーズ」のなかの一編「大砲の街」だった。面白かった。でも芸術的だったことが、見る人の多くに受け入れられたかどうかはわからない。
スチーム・ボーイ」は「大砲の街」さえ見ていなければ、特に不思議な感じはしないが、代表作をさかのぼってならべてみると、違和感がある。このひとは、何がしたいのだろう。

AKIRA」面白かったな。たしかマンガのほうで「ナウシカ」と時期が重なっていたはずで、そのことを考えると、今でも幸せな気持ちになれる。単行本ではあったけれど、両方リアルタイムで読んでいた。どちらも途中で発表が(制作も?)途切れた。江口寿史と仲がいいんじゃなかったか、なんて、いやな連想もした。今思うと江口寿史には痛々しさを感じるけれど大友克洋にはふてぶてしさを感じないではないが。「ナウシカ」がとぎれた理由は逐一報告が読めたし、こちらはアニメーションが本職だ。しかし「AKIRA」は、何故中断していたかわからなかった。ヤンマガで読んでいた人は知っていたのかな。
その前は「童夢」か。これは、面白かったのかな。なんだろう。この、乾いた感じから「AKIRA」「スチーム・ボーイ」へ行くというのは、当時は自然に思えたが、今思うとよくわからない。「童夢」より前の作品は、いいと思う。その後の変転は、何だ?今のところよくわからない。

実は「スチーム・ボーイ」は面白いのかもしれない。なるほど、そういうことだったのか、と、思うかも知れない。見ないで何を書いているのだか。