「ナルミさん愛してる」

コミックビームで「コーヒーもう一杯」を連載中の作者の3年前の作品集のようだ。
主人公は「ナルミさん」ではなく、ぬいぐるみ。特殊な設定なのだが、純情一直線というか、男子としては大変気恥ずかしい内容だ。「ナルミさん」も純情とは違うのだが、非常に純粋で、しかし、こういう人は現実にいそうに思える。そして、主人公の立場では、主人公のように感じてしまいそうなのだ。「ナルミさん愛してる」とか。
日常が、見方を変えると瑞々しく生まれ変わる。

独特の絵柄も魅力的で表現力豊か。「三丁目の夕陽」とか、故永島慎二氏の世界に通じるようで、全く違う、素朴な世界。
気恥ずかしさに耐えて、世界の美しさを再発見しよう。