「AKIRA」

AKIRA(1) (KCデラックス)

AKIRA(1) (KCデラックス)

突然だがあの「AKIRA」を読み返した。妹夫婦の引越を手伝ったら出てきたので借りてきた。私も全て買ってはいたのだが、とっくにどこかにやっていて、最終巻だけ残っていた。妹から借りたのを見ると、最終巻だけがない。数年に一巻しか出なかったので、こんなことになったのだろう。ちょっとひどい話しだ。
今や世界で最も有名なアニメーション作家となったかもしれない宮崎駿の「風の谷のナウシカ」と並んで、80〜90年代漫画・アニメ界最大の事件だったと言っても過言ではないかもしれない当時の大話題作。「ナウシカ」はアニメーターが書いたマンガだったが、こちらはマンガが本業だったアニメ監督。


で、「AKIRA」はどうしても嫌いにはなれないのだが、こんなもんだったかな、という拍子抜け感もある。普通に面白いのだけれど、こんなに王道感があったかな。もっとひねくれたり新しかったりする感じがあったような気がしたのだけれど。スケールの大きさとか絵柄の書き込みのすごさなどを除くとどこまでも普通。最終巻の最後まで読むと、手塚治虫に捧げてあり、まあ、納得するか。でもなあ、そうか、そうだったのか。
今になってなぜか私にとっての大友克洋は短編作家かなと言う気がしてきている。「SOS大東京探検隊」結構好きなのだ。マンガ少年掲載って・・・。「上を向いて歩こう」という、ヤンマガの、企画モノの一編かな。このちょっとふざけた作品が妙に好きだったり、「AKIRA」の原型になったらしい「FIRE BALL」がなぜかものすごく好きだったり。大友克洋はやっぱり嫌いになれない。
で、やっぱり「AKIRA」は大友の代表作だ。悪かったのは、途中で連載中断を繰り返し、その間に読者の生活は変わっていき、同じ感覚で読めなくなっていったということだ。しかし、江口寿史が好きな私はそれも責めない。


何書いてんだ。