「鉄子の旅」

鉄子の旅 (1) (IKKI COMIX)

鉄子の旅 (1) (IKKI COMIX)

いやー、こんなに面白いとは思わなかった。
ノンフィクション。鉄道マニア(という言葉は作品中に出てきません。)と巡るローカル線の旅を中心とした紀行といえば紀行、旅行といえば旅行マンガ。ただし、ルポのメインは土地土地の風物などというより、駅だけ。という以上に、共著作者でもあるような自称トラベルライター、横見さんの魅力(若干語弊があるが、そういっていいだろう。だって面白いんだから。)がどこまでも主役の作品。
鉄子」というのは鉄道マニア(という言葉は作品中に出てきません。)、鉄道おたくを「テツ」と呼ぶところから来ているようだ。しかし毎回自ら登場するマンガ作者の菊池さん以外には時々しか女性は登場しないのだが菊池さんはテツではない。
ややこしい。しかしまあ、「読めばわかる!」・・・わかる人には、きっと。


鉄道好きという趣味は、実は素晴らしい趣味でありえるということは、わかった。ただし、横見さんの行き方が、素晴らしいということでもなく・・・でも少しぐらい、「テツ」の影響を受けてもいいかな、と思っている。作中でも出てきて、3巻のハイライトにもなっている北海道の第3セクター鉄道、「ちほく高原鉄道」が、来月20日・・・つまり今日から20日後になくなるというのをニュースで見た。4巻までには、その事は書かれていない。今日発売予定の5巻には書かれているのかな。たぶん、それまでに行くことはできないだろう。今日まで多忙で、その稼ぎの一部が10日くらいに入るから、それくらいの旅費はぎりぎり間に合うけれど、さすがにスケジュールは取れないかな・・・。取れるとしたら15、16日か。時刻表買ってみようか。インターネットでいいか。池田〜北見って、もう少しあたたかくなってからのほうが私には魅力的な気がするが、・・・と、いっても行ったことがないのだが、行ってみたいルートだ。と、迷うくらいには、影響をすでに受けてもいる。


笑いを取り混ぜて素直に表現しているようだが、作者菊池さんの着目、構成、一見無造作なようでもある画づくりも、実は極めて的確に思える。この作品を手にとって気になってきたのは、ガッシュで描かれたと思える表紙の絵に魅かれたためでもあった。
実は今年最も熱中してしまっているマンガでもあり、何度もパラパラめくって読んでいる。新刊が楽しみだ。