「凹村戦争」
- 作者: 西島大介
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2004/03/24
- メディア: 単行本
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黒田硫黄とか、安永知澄とか、そんな若手の新感覚派のようなマンガ家たち(と、私が勝手に思っているだけだが)の中でも妙にマニアックなようなブンガクのような感じで注目されているような西島大介という人のマンガは、ふつうのコミック単行本より高い。古本屋でも普通は高いのだが、コミック本並の価格で売っていたのでお買い得感に惹かれて買った。ごめんなさい。
「プリズナーNo.6」が出てきたのにはびっくり。伝説的なドラマシリーズとして噂を知っていただけ。西島氏は見たのかな。
TVで何度も放送されておなじみの「遊星からの物体X」が、モノクロ版のリメイクだったとは知らなかった。
オーソン・ウェルズのラジオの逸話は・・・そんなのあったな。面白いことやったよね。
めちゃくちゃやっているというけれど人は死なないし、予定調和だろう。そこそこ巧みなプロットと、器用なコマ割、独特の絵柄、キャラクター、構図。上手いといえば上手いけれど、これがある種の若い人たちの気分なのか。
主人公が直情的だが、ほかの人たちは直情的な主人公に共感しつつもおおむねシニカル。あとがきを読むと主人公のめちゃくちゃが可能性のようなことを書いているがこの主人公はふつうのひとであって、こんなひとのほうが実は多くて、賢いシニカルの人は西島さんのまわりにはいるだろうが、めちゃくちゃなというか、素直なふつうのひとたちは素直に愚かに行動して、この「凹村戦争」のような大変なことが起こらなくてもひどいめにあったり、死んじゃったりまあ、ふつうは死ななかったりして、地べたをはいずり回っているだけだよな、と、思うのだが。
つーわけで嫌いです。が、面白いといえば面白い。売っぱらいません。