「何がジョーンに起こったか」
- 作者: ふくやまけいこ
- 出版社/メーカー: ぱるぷ
- 発売日: 1984/09
- メディア: コミック
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今商品を調べたら、似た名前の洋画があることがわかった。
似ているのはタイトルだけで、内容は全然違うようだ・・・一文字違いとは・・・翻訳邦題に雰囲気があって、そのことからか・・・。と、思ったがあらすじを読んだら全く無縁でもなさそうだ、が、やっぱりほとんど関係ない・・・。
ふくやまさん最初期の短編集。最も大切な一冊だった。何度も読んだ。が、数年後に「ゼリービーンズ」は読み返しても、なぜかこちらは読まなかった。なにか気恥ずかしい感じがしたのか。
当時は絵を見て不器用かと思っていたが、今読むとマンガとしては技巧派といってもいいかもしれない。なにか吾妻ひでおを思い出した。
絵もデッサンのちょっとしたおかしさなど全然問題にならないほど、表現力が多様で豊か。極めて魅力的。
ストーリーも表題作など骨太で説得力があり、初めて読んだ当時は心酔したのだけれど、今読むとその他のもっと短い作品のテーマの切り取り方の鮮やかさが、ひとつひとつそれぞれ際立っていることがわかる。どれもすごい。
こんな瑞々しい感性のきらめきがこんな薄い一冊にびっしり詰まっているとは、これを見つけた23年前の私を誉めてあげたい・・・って、アニメージュ、徳間書店で大プッシュしてたんだが。
感傷的で、気恥ずかしいと思っていたのは私が甘かったからだ。作品の登場人物の視線は正しい直感でしっかりと現実をとらえている。
私は美術を長年やってきたが、なんだったというのだろう。私の作品全て足しても、このなかの2Pの作品と全く比べものにならない・・・。しかし、そう思うことに悔しさもない。