「バジル氏の優雅な生活」

バジル氏の優雅な生活 (第1巻) (白泉社文庫)

バジル氏の優雅な生活 (第1巻) (白泉社文庫)

「エマ」が、ロンドンの・・・19世紀末だろうか。何時代といったかな。そのあたりの時代だったと思うが、この作品にもそれと同じような雰囲気が漂っている、ロンドンを舞台とした作品。

どちらかというと鬱々とした日々の中で、読みたいものを探して「バジル氏の優雅な生活」を思い出した。読んだ。救われた。
私が鬱々としていることと似たような内容も、物語の中で過ぎ去っていく。全体にはそんなことよりも、生き生きと暮らす魅力的な人の話が多いのだが、そんな人達も悲しい人と出会う。
いや、しかし、それにしても、人間って面白い。
でもなあ。私のまわりを見渡して、好きな人は多いけれど、このように生き生きと生きられないな。特に私が。しかし私はともかく他のひとも・・・。時代が悪いのか。「制度」が?制度のおかげで平和に、豊かに暮らしているんだけれど・・・本当かな。何かウソで成り立っている社会なのか。
とはいっても、実際のロンドンのこの時代・・ヴィクトリア朝の頃はこの物語とは違った堅苦しい、重苦しい時代だったと解説にありますが・・・。


関係ないが。
NHK朝の連続小説なんかを見ているのだが、「ちりとてちん」第4回目にして米倉斉加年さん演じるおじいさんが、亡くなったのか・・・。と、すればその前の最後の言葉「おかしなもんが一生懸命やっているのは、おもしろい」だったかな。ちょっとニュアンスが伝わらないけれど、じーんと来た。しまった。昼も最後のところだけ見れば良かった。
なんか、不器用だとうまく渡れない世の中を、精一杯生きているひとへの最高の言葉のように感じられた。これが世界を救う気持ちのようにすら思えたが、この反対の感覚が普通なのか。