「化け猫あんずちゃん」

化け猫あんずちゃん (KCデラックス モーニング)

化け猫あんずちゃん (KCデラックス モーニング)

いましろたかしという人は、なにか通好みのような感じで気になっていた。読んだことがあるのは「デメキング」だけだが、悪くない感じがしていた。独特のリアリティー
しかしそのリアリティーはどの部分にあったのだろう。感情か。登場人物が優しかったり非情だったり(ほかいろいろ)する配分が、「ああそうだ、こんな感じだ」というリアリティーは、他になかなかないかもしれない。
あと、ダメな登場人物。そんなひとばかりではふつうは物語は際立たない。でもまあ実際人間けっこうダメだよな。私もダメダメだ。お話もなんかなげやりだ。何かエネルギーが集中している輝かしい話しが、日常のちいさな輝きをかすませてしまってきたのかも知れないから、こんな話がいいのかも知れない。
何か、「誰でも主人公」とかって、まあ、たしかにそうだけれど、その主人公ってのはいましろ作品みたいな話しの主人公か・・・って、こんな話しが実際に日常にあるわけではなく、話しの筋は突拍子もなかったような気もしたが・・・「デメキング」・・・筋は忘れちゃったけれど・・・。

「化け猫あんずちゃん」は、「デメキング」のような焦りの感じはなかったが・・・あるか。主人公や何人かはおおむねのんびりとした感じだ。さらにそもそもご都合主義か。あんまり面白くないなあとも思ったが、でもなにか気に入ってきたような気もする。
なにか、単行本になっただけでも御の字という感じも、する。人気はそんなになかっただろうと言う・・・。それもなんかいいかな・・・。