懐かしい曲

Labour of Lust

Labour of Lust

SOMEDAY

SOMEDAY

大学で、何か楽器を弾きたくてマンドリンクラブに入り、それ以来聴くのはクラシック、それも現代音楽がかなり多くなった。大栗裕の曲を演奏したり芥川也寸志氏の「音楽の基礎」を読んだのが大きかったが、またキング・クリムゾンピンク・フロイドのメンバーがバルトークやらストラヴィンスキーやらを聴いていたというような話をどこかで読んだ事も大きかった。
それ以来、民族音楽やらジャズやら中南米の音楽やら、楽しいものも多かれど、むづかしいものも多く、とにかく耳に新しい音楽を聞いてきたような気もする。

で、懐かしい音楽というのはそれ以前から聴いてきた音楽で、ポップ、ロックというという事になる。

今日(もう昨日になってしまった)昼と夜に、意外な曲をラジオで聞いた。

昼に聴いたのはニック・ロウの、「クルーエル・トゥ・ビー・カインド」。夜は佐野元春の、「SOMEDAY」。
ニック・ロウは、ディブ・エドモンズとのロックパイルのアルバムをヘビー・ローテーションで良く聴いたものだったが、今はよりポップ色の強いソロの、たとえばその「クルーエル・トゥ・ビー・カインド」あたりが最もしっくり来るかも知れない。
それにしても、本当に古びない。シンプルな曲に、シンプルなアレンジと言っていいんだろうけれど、ロックンロールのリズムにアコースティックギターのカッティングの音・・・。エコーのかけ方なんかはフィル・スペクター調というのかたっぷりなのだろうし、そのあたりがちょっとバディ・ホリーあたりとは違うのだろうけれど
そんな感じの・・・パブ・ロックとも言ったのだったか・・・後にはエルヴィス・コステロのプロデュースなんかもしていたような気もするが、そんなあたりの音が大好物だったことは、今になって思うと幸せな記憶として蘇って来る。
で、「フィル・スペクターサウンド」といえば日本では大瀧詠一山下達郎なんて名前がすぐに出て来るのだけれど、ロックパイルなんてバンドをどうして知ったかというと佐野元春の「サウンドストリート」というラジオ番組ということになり・・・「サウンドストリート」といえば火曜日が坂本龍一、水曜日が佐野元春、木、金が渋谷陽一というラインナップでロックの最先端にふれることが出来たという今思えば私にとっては目が眩むような刺激的な時間だったのだけれど、それはさておき・・・大瀧、山下、佐野に杉真里、伊藤銀次で新旧「ナイアガラ・トライアングル」の5人となるわけだけれど、そのうちの佐野と伊藤銀次が参加しているハートランドの代表的な曲が、「SOMEDAY」だったりするのだ。この曲でもフィル・スペクター風のドラムの音がドシャドシャ鳴っている・・・。
偶然一日のうちにニック・ロウと佐野の「SOMEDAY」を聞き、一気に追憶モードに入った。とはいえ、「SOMEDAY」は、イントロだけで充分。ドーナツ盤でヘビーローテーションしたこの曲は、それだけで頭の中にエンドレスで流れ続ける事になる・・・。エンジンを切って車を降りた。

こんなことはいつまでも覚えているんだが・・・。