宮崎駿について

本当にすごいんだ。
映像として一番わくわくしたのは「ルパン三世カリオストロの城」だったかもしれないな。作品としてなら「未来少年コナン」。
高校生時代に最も傾倒していたクリエーターだったな。クリエーターってなんだかよく解らないけれど、画家とか音楽家とかまで含めた、芸術家といっていたのを少し拡大したような意味で、今とっさに出てきてしまった。実際には作家とか芸術家と以前にいわれていたジャンルの人はクリエーターというときにはむしろ除外されているんだけれど、そういうひとも、デザイナーとかミュージシャンとか、コピーライターから小説家まで含めたような意味で・・・。
そういうような何かになろうと思っていた・・・頭おかしいんじゃない? と、自分で自分に突っ込んで良かったような発想だ。そして、今も変わらない。今は、自分で自分ののどにナイフを突きつけている感じがする、というのは半分ウソだが半分本当。

ナウシカ」も好きだけれど、先にマンガを読んで期待が極限までふくらんでいたし、実際の作品もぎくしゃくしている感じがする。「もののけ姫」の構成が破綻している説があるらしいけれど、私が思うには、「もののけ姫」に破格の構成感を感じ取ることが出来るのに対して、映画の「ナウシカ」は、たとえば「ガンダム」の映画版みたいな感じがしたな。先にマンガを読んでいたのでどうしようもないんだが。
ラピュタ」が一番人気があるという。うなずける。ただ、「未来少年コナン」を知っている私には「コナン」から現実の重みを取り去って飲み込みやすくした感じ、果物をしぼったままではなく、果汁100%ではあっても何か調整して飲みやすくした感じがして、ちょっとつまらない。
「トトロ」は好きだ。「魔女の宅急便」も好きだ。このふたつは、とても良くできていると思う。
そういえば、「紅の豚」という作品があったな。飛べない豚はただの豚だ。しかし、一度でも飛べた豚は、ただの豚のわけがないんだ。ただの豚を馬鹿にしてるよな。
もののけ姫」が、きらいじゃない。重苦しいが、世界は「コナン」の舞台ほど荒れていない。しかし、登場人物は暗い。希望を持っていないわけではないが、「コナン」より観念的になっている。が、今の日本の社会にはこっちが合っているのだろう。ただ、実際の現実の自然世界には「コナン」のほうがずっと即している。ファンタジー? そういえばそうだから、当たり前か。サイエンス・フィクションではないと。
千と千尋の神隠し」みんながいいという列車の場面が、どうも納得行かなかったのを覚えている。
ハウルの動く城」私は「城」に最も感情移入した。壊れながら動き続ける。

「ポニョ」は、見ていない。見ることはあるだろうか。「千と千尋」や、「ハウル」よりは期待できると思っているけれど、どうだろう。「トトロ」より面白いかなあ。そうだといいけれど・・・。そういえば「パンダコパンダ」見たいなあ。

太陽の王子ホルスの大冒険」、今も不思議な空気感、時間の流れの感覚の記憶として忘れられない。あの時間感覚は誰のものだったのだろう。高畑勲さん? 森康二さん? あるいは、共同作業のなかで生まれた独特のものだったのだろうか。誰かの強烈な個性ではない・・・。

いや、本当にすごいんだ。
カリオストロの城」の冒頭近くのカーチェイスの現実離れした迫力、逆に、城を脱出する場面のリアリティ、そこに流れる大野雄二さんの音楽・・・ラテンのリズム、少し悲しげなメロディー、フルートの音色・・・。

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