福島智さん

面白かった!
爆笑問題のニッポンの教養」に出たこの方、東大の「障害学」の先生。
目が見えず耳も聞こえない全盲ろうだということで、どうコミュニケーションを取るかということ、どう認識するかということが気になった。どんな番組になるのか。
話し始めてびっくりというか、「指点字」という方法で、ボランティアの方の助けを借りてかなり普通に会話しているが・・・過去の記憶で話すことが出来るというのだ。耳が聞こえなくなったのは18歳の時だということで、「指点字」を福島さんのお母さんが思いついたと番組の中では言っていて、その前からあったものかと思っていたが、今番組のホームページで見ると福島さんとふたりで考案したということだ。
番組のなかでは「障害とは何か」などから刺激的な話になっていく。人間の生きる意味。見ていて、話を聞いて覚えた感覚をうまく言葉に出来ない。しかし、福島さんの話のわかりやすいこと、爆笑太田氏などの問いかけに返す切り口というか角度の見事さ。
ナチスの収容所に入っていた「夜と霧」の著者フランクルの話が出た。最近ちょっと思い出しかけていたのだけれど、どうしてだったか・・・最初のほうを少し読んだだけの「夜と霧」読んでみようか。
しかし、なんと話の上手な人なのだろう。自分の今まで知らなかった何かがわかってくる、今まで感じていなかったことを感じているという実感のともなうひととき、そんなために生きているはずだったのに、という気さえ、ちょっとしてくる・・・こんな体験を生み出すような何かをつくろうとしていた過去が、私にもあったような、なかったような。今は違うのか。私は話すことで何かをできるとも思えないが、つまりは音楽や彫刻でそういう体験に近づきたいのであったような、なかったような。
福島さん、「落語好きで、しゃべり好き、手八丁・口八丁で生きている」と、番組のホームページに書いている。とにかくさわやかで、明るい。
面白く、気持ちのいい時間だった。