民主党政権誕生へ 3

いまのところは、いいじゃない、政権交代、という感じ。
真面目そうな議員さんたち。そんなにうまくはいかないだろうけれど、そのてのことを自民党よりの発言として、それを非難のことばとして口にしている人たちは恥を知るべきだ。


自民党がうまくいっていた部分というのは、構造疲労しているにしろ既存の組織の温存、そこで習慣的に行われているやりかたの遵守、改革というときに、体制機関には痛みをなるべく伴わない形を取った、そのうえで、施策が円滑に行われるということで、その施策の結果がどうなっていたかは二の次だったということだ。
景気対策に名を借りた前代未聞の(というのはちょっとウソ・・・地域振興券とかあったし・・・だが)なぞのばらまき施策すら円滑に(地方行政の負担がどんなものだったか気になるところだが)できるこの実行力!
当然民主党にはないのだろう。


自民党民主党小泉政治が「掲げていた」(実際にどうなるかはたぶんそれほど考慮していなかった)構造改革を、その改革の内容の違いはともかく、いま実際にすすめようとしていたり、すすめうるのは民主党であるから、その点では民意は4年前と変わらない。参院選民主党が勝ってから、自民党はその敗因を全く検討できなかった、と、有権者は判断したんだろうな。
だからといってその民意が正しいかどうかはこれからにならないとわからない。


小泉郵政選挙で大勝したときと、似ているようで似ていないのは、その後自民党は安倍政権が墜落するまでやりたい放題、その後も趣味の政治(少なくとも民意のある部分はほとんど意に介さない政治)を続けてきたのだけれど(そうではない人は石破さんとか・・・私の人を見る目が確かならば、また、政策に賛成しているかどうかは別問題と但し書きをつけるうえで)、今回の民意付託は、背水の陣のようなのだ。
麻生総理が潔いとかわけのわからない言辞がネットでは読むことが出来るが、既存の利益団体のおおかたと折り合いを付けた上で、失言しても影響を受けにくい体制を背景に、党内および公明党などとの調整に終始し、その外の世界をおおかた切り捨て、それでは権力闘争を是とした小泉と同じじゃないか。自分の良く知らない人たちには表面上媚びを見せ、という、主体性のなさ。そのおつきあいに合わせてあつらえたような思想、そんなものを擁護するバカの気が知れない。


高速道路無料化は、微妙な感じがしたが、道路公団関係の利権に絡んでの判断だとすれば一理を感じる。NHK偏向報道に踊らされているのかも知れないが。国交省がらみでは道路特定財源に関する実質上の政治介入(ということばを使ってしまうのは、今まではアンタッチャブルだったという認識の下)に踏み込むとか、少なくとも暫定税率に踏み込むとか、人死にが出そうな案件へ踏み込む覚悟か・・・。
公共事業の見直し、八ツ場(やんば)ダムの見直しというのはあれほど工事が進行している状態で本当にいいのかとびっくりするが・・・鳩山氏みずからここについて発言していて、ある種、「公共事業の見直し」としての象徴的な意味を持たせているのだろう。これも国交省だろうか。
製造業への派遣労働を再び禁止する処置、これは賛成だ。短い間にあっという間に一般化したこの「構造改革」が、何をもたらしたのだろう。国内製造業が国際競争力を少しは取り戻すことができたといえる? 昨年の金融恐慌、その前の資源暴騰による製造業の深刻な状況に加えてのダブルパンチを、派遣切りで乗り切ることが出来たという、先見の明を誇ったりはしていないか。口には出さないだろうけれど。
生活保護母子加算廃止がどうしてなされたのか知らないが、その復活を期している議員のところに日参する官僚の意図は・・・。
一時は最低賃金の見直し、時給1,000円以上という言葉も聞こえたが、消えた。これが現実的ではないという、現実・・・。しかし、このあたりのことについては徹底的に取り組まないと・・・支持団体に連合があるけれど、この、一時は正社員の既得権益を守るために派遣、パートタイム労働者を軽視していた(のではないかと、客観的には見えた)ふざけた活動をしていたナショナルセンター(なんて言葉を使って分からない方やこういう言葉に嫌悪感がある方すいません、言葉の意味が正しいかどうかわかりませんが)も、自らの方針を見直すとともに民主党との関わり方を検討せねばならなくなるだろう。
農業政策のブレをつつかれていたけれど・・・自由化路線と、過保護になりそうな補助金制度・・・農水省では、大臣が死んだり辞めたりが続いたが・・・。
さっき見たテレビでは、千石さんという人が幼稚園と保育所の管轄省庁が違うために一貫した政策が行えないことに関して話していたが・・・。それが省益というもの? ふざけている。国益ということばも薄汚いことばだと私は思うが。


国民の負託、などという言葉は聞こえないが、そんな慣用句では民主党という組織が直面している様々な状況の一端を表せないのかもしれない。
千石さんという人は情報公開に関して語っていたが、政権交代の最も重要な要素がそれだという言葉をどこかで読んだような気もする。
政策、施策決定のプロセスに、投票した国民たちが思いもよらなかったような変化が、あるいは民主党候補者たち自身もそうなのかもしれないほどに、もたらされるのか、官僚というものが安定しようとする力は思いの外強いのか。


国家戦略局担当大臣なんて、ものものしい名前の役職に、菅直人さんが就くそうで、スタッフがどれほどかわからないけれどぶっ倒れないのかな。岡田さんの外務大臣役不足だと感じていたりするのかもしれないが、ルーティーン中心でそれなりに独自色を出せるおいしい立場かも。
そもそも脳天気鳩山さんが党首というのは、この際なかなかいい党内人事だったのかもしれない。
小沢一郎さんという人はよくわからないけれど、ラジカルで現実的なのではないか、彼の闘いがやっと始まるのだろうか、と、思ったが、こんなひとりの人を買いかぶりすぎなのだろうか。
人ひとりの一生の仕事には、いろいろある。