「幻覚ピカソ」

古屋兎丸という変な名前の漫画家、独特の繊細な世界と描写力でしばらくマニア受けする(しかしない)漫画家で、マニアっぽい雑誌に連載していたのだった(と思う)けれど、「π」という連載でスピリッツ誌に登場、独特の不思議かつちょっとエッチな(ちょっとしかエッチじゃない)基本は明るい学園ものを、けっこう長く連載していたのは、意外だったけれど、吾妻ひでお氏が某日記の中で応援していて、私も便乗して心の中で応援していた(今古本屋で見つかった巻から読んでいます(ごめんなさい))。
そんな作品後はどちらかというと暗い作品を書いていたようで、ほかにもたくさん好きな作品がある上に、私の異常だったマンガ熱も少し醒めてきていたのであまり応援しなくなっていた。
が、今度は少年誌? ということで気になり、2巻が出ているのだけれどとりあえず1巻を買ってみた。新巻で。で、2巻も買ってみようと思っている。新巻で。今までゴメンナサイ。しかしジャンプSQというのは少年誌なのか? 何なのか? 調べるのは面倒。「幻覚ピカソ」はまあまあ少年誌向け。
ところでこの人を応援している(応援って何だ)わけにはこの人が美大出身(芸大かもしれない)らしいということがあって、私は美大というほどレベルが高いわけではなかったけれどかつて美術科の学生であり、何か自分がかつていた場所に通じるイタい感じがそのままで外の世界に突き抜けていく感じがしていて、「π」は、何か好きだ。「π」以前も読んでいたのだけれども。そして「ピカソ」というのはそういう要素がより多く入っていて、そしてそれはなにかほっとさせられる感じなのだ。そういえば、「ハチミツとクローバー」も、美大が舞台だったなあ。で、そのこともあって目が離せなくなってしまっていたのだった。関係ないけれど「3月のライオン」も読んでます。3巻良かったなあ。
古屋兎丸さんのファンの多くは繊細な作品が好きなのだと思うけれど、それを自分で半分ちゃかしたような(でもそうじゃない?)「π」やこの「幻覚ピカソ」はより好きだ。


とはいえ、この「幻覚ピカソ」が好きだというのは恥ずかしいかも知れない。私は43歳の独身男で、失業中だ。ご都合主義の(それがいいのだけれど)マジカルなストーリー、繊細な登場人物、どちらかというとやさしい雰囲気の学校が舞台・・・。夢見ている場合じゃないんだ。
でもまあいいや。

幻覚ピカソ 1 (ジャンプコミックス)

幻覚ピカソ 1 (ジャンプコミックス)