参院選が終わって

与党大敗。・・・という表現は、適当なのか。いずれにしても、私にも予期できる範囲ではあったものの、その中では与党にとってかなり悪い方の結果だった。
当選者数とは別に得票数は民主党の方が多かったという声も聞こえたが、それは全国区の話なのか。つまりは選挙区と全国区の両方までは与党民主党に入れたくなかったのか、全国区の候補の具体的な人物で民主党の方が人気を集めたのか。
あるいは勝ったのは自民党だけではなくみんなの党でもあったようで、そんなこととも関係があるが、民主党が去年勝ったのは野党だったときであり、今年は与党で負けたのであり、つまりは基本が政治不信で、だから野党がやりやすいということなのかもしれない。
いわゆる改革路線が最も鮮明だったのがみんなの党で、従来から抜本的改革を訴えていた共産党と全く反対の「小さな政府」論であり、そんな論点ではほかすべて中道。しかし極論かも知れないが民主党現執行部はみんなの党に近い。国民新党社会党統一会派を結成するという動きがあって従来からのイデオロギー的な色があった流れからすると奇異に感じるが、政策的には近いのかも知れない。鳩山、小沢がほぼ中道、と、いう気がしてきたのであって、的外れかも知れないが何か感慨深い。
で、自民党公明党がどうかというと、よくわからない。自民党は与党時代の各派各主張をひきずっていて民主党同様まとまっていないはずだが、現執行部はともかく清和会が力を弱めたかどうか知らないが、小泉執行部の母体がいまなお自民党内の一大勢力であり、みんな寄り、ほかは中道、か。公明党は大きめな政府を志向しそうだが、与党を経験した上での現実的な対応をも自負していて中道、とか、まあ、マスコミやらネット情報やらから薄ーい情報をちょっと仕入れただけの私の印象を書いたに過ぎない。
それに、「大きな政府、小さな政府のどちらを志向するか」ということは論点になっているようなそうではないようなことだけれど、この観点が全てではないのは言うまでもない。しかし、今思えば数十年前までは全ての党が大きな政府を志向していたと言っても過言ではない気がする。このことが争点になってしまうこと自体も妙だ、と言えなくもないのだが、これは国が無駄遣いをしているということが人口に膾炙していること、財政が逼迫していること、つまりは不景気で税収が少なくなったこと、その変化に各年度の国家予算が対応しきれなかったこと、などと関係はあるはずだが・・・。
その間に企業の払う法人税の税率が下げられ、個人の所得税は所得の多い層で税率が低下傾向になっているというように記憶しているが、しっかりとした知識ではない。これらに何らかの理由があるとは思うが、いろいろとあやしい議論がされているような気がする。法人税というのは利益分に課税されるのであって、すでに必要経費がすべて支出されたあとの金額にかけられているものなのだ。はたして個人あるいは世帯の必要経費というものは、基礎控除分と、各種保険の控除以外にはないのだろうか・・・。これは無知な人間のたわごとだろうか。
そして、消費税というもの、いったい何なのか。企業が物品購入を行う際に・・・いや個人が買い物をした場合も、具体的には納入業者、小売業者が消費税を支払うということになるようで、印象的には消費者が負担するということになるようで、価格決定のメカニズムが恣意的ではなく自然に起こるものだというような、それこそ実証されていない仮説に基づくのではないか、と毒づくことも可能だと思う。結局は価格を左右することが出来るか出来ないかが命運を分ける。印象操作、具体的交渉が・・・しかし、結局倫理的な問題がマクロの動きを左右する。てなことを思い、そのあたりはどうなの、と思うのだけれど、やはりあさはかな論なのだろうか。消費税も、使用目的を限定する、増税分は福祉目的税に、なんて言っているけれど、年金をなんとかしなきゃならないと、ふと思うんで、それは未納問題が大きいと思うので、払わない人が結局は生活保護を受けるのだろうし、ヘタをしたら年金を受け取る人より高額だったり、てなことが起こると同時に弱気な人、あるいは年を取ったら結局弱気になってしまったひとなんかは死んじゃうのだろう、とか、そんな予想は的外れなのか、あるいはこんなことを書いている私は倫理的におかしいということになるのか、なんて思う。私は出来るだけ年金も税金も、制度に忠実に払おうとは思っているが、その度にソクラテスの言葉も思い出してしまうが、ソクラテスなんて名前を出したけれど、その言葉、毒を仰いだ際に言ったらしい言葉以外には悪妻の配偶者だったというような事以外あまり思い出せないし、その言葉も実際にそんなことを言ったのか怪しいようなことだったのかも知れないと思い始め、それどころか、何を言ったかというはっきりとした文句も思い出せるわけではなく、ということで始末が悪いが次に進んでしまう。
とにかく選挙前に消費税に関して論議する、とかいうことが菅首相の発言としてとりざたされて、それが投票行動を左右した大きな一因だった、ということになったようだ。しかし先日とあるテレビの番組を見たら、その番組でやっていたアンケートの回答では消費税増税容認の人のほうが多いということで、なにかそういうことも茶番であるという感じがして、アンケートの実際の文言や受けた雰囲気なんかを再現して欲しいものだ、などと思ったのだ。と、何かおかしな話の進み方だけれど、この話はこれにておしまい。