田中好子さん追悼

特別ファンだったというわけでは、なかったかもしれない。
でも、キャンディーズの解散コンサートをラジオで聴いたかもしれない。
なにか聴かずにはいられないような感じだった。感動的だった。


アイドルはそれ以前からいて、山口百恵さんとか、桜田淳子さんとか。しかし彼女たちは歌手であり、個性的な歌声と性格の魅力、才能で人を惹きつけていた。
キャンディーズの時代になって、今のアイドルに近いイメージになってきたかもしれない。表面的な美しさ、可愛らしさ、何か媚びた感じ。
しかし、キャンディーズの3人は演出していたとはいえ、素地として素直さや優しさを持っていたようでもある。才気に富んだイメージではなかったが、そうとも限らない。吉田拓郎の作ったキャンディーズの曲の魅力を時折思い出す。独特の魅力は、パフュームに近いようにも感じるが、まあ、全然違うというひとが多いだろうな。パフュームの3人も自然体だけれど、アーティストだという意識がありそうで、キャンディーズの頃はそんなこと考えもしなかったんじゃないか。
ある意味アイドル時代も他の誰よりも普通の女の子だった3人が普通の女の子に戻りたいと、引退し、本当にそうしつづけたのは、結局一人だけだった、ということでいいのかな。


しかしアイドルなんて言葉、今思うと変で、欧米から使われ始めたのか、異性に非常な人気がある若い男女のタレントのことをいうのに、しかしその変な言葉がさらに微妙に変化して今もさかんに使われ、何か気味が悪い美男美女のことを言うようになっている。
容姿も性格も魅力的ではあるけれど、それ以上に若くてあからさまではないセックスアピールがあることが優先していることが重要・・・あからさまではないと書きはしたけれど、鈍感な人には意識的に感じ取れないだけであって、無意識には必ず訴えかけるような、などと、ややこしいな。直裁ではないけれど結局の所はあからさまな隠喩のような、もちろん本能に嘘をつかないという言い方であってもいいのだろうが。
でも、以前は「それ以上に」ではなくて、それが小泉今日子だったりした気がするが、違うか。原田知世とか・・・。


キャンディーズのうちふたりが復帰したのには当初ちょっとしらけた気持ちがあったが、その後の活躍でいつか忘れた。しかし、そのことがあったからあまり注目しなかったか・・・。
画面に現れるとほっとするような存在、きびしい世界でそれを受け止めた強さ、しかもそのことでかたくなになっているわけではないしなやかさ・・・私はそういうことに目を惹かれなかったが、そのかけがえのなさに、今さら気付いた。

GOLDEN☆BEST/キャンディーズ

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