おたくかな1

蒼天航路」について書いていて、マンガを大々的に読むようになったのは自由業になってしばらくしてからだということに気付いた。大々的と言っても、ネットで見かける本職マンガ読みじゃないかと言うようなひとには遙かに及ばないが。


美術と音楽を一応やっている。美術、彫刻なのだけれど大学で専攻して、卒業後しばらくやっていなかったが、これをやらないと自分ではない気がするのでまた作り始めた。趣味という気がしない。音楽というのはマンドリンの小アンサンブルや合奏なのだけれど、これなど、プロと最も遠い楽器演奏とも思え、社会的には趣味以外の何物でもないのは重々承知しているのだけれど、なぜか趣味というわけではない気がしている。もちろんどちらも仕事ではないのだけれど。
とか考えて、趣味はマンガだなと、マンガしかないなと、思っているのだ。ひとからみると収入を得ている職業も含め趣味以外やっていないと思えるだろう、うらやましくもあり、くだらなそうでもある境遇なのだが、趣味があまりない気がしている。


就職していた頃を思い出すと、マンガは、雑誌でしか読まず、コミック単行本はほとんど買わなかった。書店で自分の好きなマンガの単行本がいつ出るとかチェックするというようなことがあまり考えられなかった。ひどく忙しい会社だったのもあるが、なにかコミック単行本を集めるというようなことが社会人に相応しくないというようなことを、無意識に思っていた部分もあったかも知れない。
そのくせ、テレビゲーム、RPGなどにはまっていたというのは、周囲に迎合していたところがあったのか。自分より若い世代のひとが多い職場だったが、話題にしていたしな。忙しかったのに、時間を食うRPGを。


それで、自営になってやっと人の目を気にせず好きなことをするようになったのだ。なんて主体性のない人間なのだ私は、と思った。
何でこんな事を書いているのかというと、私はおたくじゃないなと思えてきたからだ。おたくのひとはもっと正直だろうなと、思ったのだ。おたくのひとはえらいと思う。