建築の本

また先週土曜の話。
ルオーを見て、マンドリンの演奏会を聴いて、さっぽろアートステージの500m美術館を見る前と後に、本屋に行った。気になる本にあたりをつけて、地下鉄駅の展示を見て、また書店にもどってやっぱり買おう、と。


ジュンク堂という書店ができたというのを半年くらい前に聞いて気になっていたが、そこへ初めて行った。ビルのB2Fから4Fまで、6フロア。以前の丸善の3倍くらいか、といっても丸善と比べることはないのだけれど。1階正面入り口の看板が信じられないくらい地味というかダサいというか、そういう感じなのにちょっと驚く。


買ったのはユリイカレム・コールハース特集、今年の6月号、と、石山修武の「SELFBUILD セルフビルド 自分で家を建てるということ」という、写真の多い本の2冊。どちらも建築の本。あわせて4,000円くらいか。財布に厳しい。


数年前、極貧の正月にトチ狂って5,000円近くする、a+u(建築雑誌?)別冊のヘルツォーク&ド・ムーロン特集を買ってしまった。う、今調べたら私が買ったのは2002-2006で、1978-2002というのもあるらしい・・・。
ヘルツォーク&ド・ムーロンは面白いのだけれど、なにか少ししっくりこないところにピンときたのがレム・コールハースだった。こちらもa+u別冊のようなものがあってずらっと売っていて、迷ったが安くて面白そうなユリイカにした。浅田彰磯崎新の対談なんて、ヤな感じの内容がすてきだ。そして、この対談は面白かった。
北京オリンピックは、去年のことだっけ。オリンピックがらみで有名なのはヘルツォーク&ド・ムーロンの鳥カゴみたいなメインスタジアムだったけれど、なかなかセコいエピソードがあったり、同時期にコールハースCCTVというこれまた有名な建物ができたらしくて磯崎新も関係があったらしいのだけれど、こちらにも残念な話があって、残念な中国、というのはまあいいとして。
面白かったのは資本主義へのスタンス(?)について書いていたことで、今それを見ないで書いているのだけれど、資本主義を否定してもしょうがないから利用する、というと、全く語弊でしかないとは思うのだけれど、なにかそのようなことが書かれていて、それが面白かった。
レム・コールハースが気になったのは、1年くらい前だろうか。ミクシィでコミュニティというものがあるのにちょっと引っかかっていろいろ見ていたら「カーサ・デ・ムジカ」という建物の写真を見て惹かれたからであって、そのうちなんだかものすごく注目されている建築家らしいということがわかったのだけれど・・・。思っていた以上に気にしたほうがいい存在のようだ。
ヘルツォーク&ド・ムーロンは、書店で立ち読みしていて衝動買いした上記別冊以来気になっていたのだった。
建築は、思ったより面白いのだ。
しかし、昨日マイケル・ムーアNHKに出ていて、なんだか「キャピタリズム」という映画を撮ったらしくて、彼の集大成だというのだ。そして、その「クローズアップ現代」のインタビューは面白かったのであって、資本主義へのスタンスをどうとればいいのか、と私はふらふらしているのだけれど、マイケル・ムーアのナイーブでたくましい(?)態度にも私は共感を覚えたのだ。というか、いろいろなスタンスに接しなければ、私も彼にどっぷり共感するタイプの人間だろう。しかしコールハースのスタンスも気になっているのだ。
それだけではなく、たとえばコールハースほど気になる彫刻家も、それどころか美術科も現代に見あたらないかもしれない、とふと思ったが、しかし単に勉強不足、リサーチ不足なのかもしれない。
あとは、こうして世界の動向を気にするより制作しろよ、という言葉は自らいつも思い浮かべるのだ、と付記しておきたい。


石山修武の「SELFBUILD」も、久しぶりに読んだ彼の本。「笑う住宅」を読んだときの衝撃が甦る。
まあ、つまり、自分でどんどんやっちゃうひとの話ばかりどんどん写真とともに迫ってくるというわけで、今書いたばかりの話にうまく続きすぎだ。
しかしとにかく「自分はなにをやろうか」と、体の芯の体温がすこし熱くなるような本。
つまり、お仕着せの人生はもうごめんだ、しかし、そうだとして、どうすりゃいいんだ・・・なんて考える前にどんどんやっちゃうひとの話ばかりで、それがぴったり表現になっている、建築が表現だというのは、ちょっと普通の意味での表現とも違って、表現というのは何だろう。ともかく、建築が表現みたいなのだ。確かに。
expressionismが表現主義で、impressionismが印象主義というのは・・・対になるのだろうか。というのは関係のない話か? 象徴主義というのは?


で、先週の土曜の話を書き終わったと思ったらもう次の土曜だ。

ユリイカ2009年6月号 特集=レム・コールハース 行動のアーキテクト

ユリイカ2009年6月号 特集=レム・コールハース 行動のアーキテクト

OMA@work.a+u Rem Koolhaas―a+u Special Issue(エー・アンド・ユー臨時増刊)

OMA@work.a+u Rem Koolhaas―a+u Special Issue(エー・アンド・ユー臨時増刊)

H&deM 1978-2002―a+u Special Issue(エー・アンド・ユー臨時増刊)

H&deM 1978-2002―a+u Special Issue(エー・アンド・ユー臨時増刊)