変な音楽日記091230

4日間何をしていたか、たいしたことはしていない。
1日休んで2日野暮用、今日は、何をしていたか、弟が生まれたばかりの姪っ子と奥さんとで母のところに来ていて、私も行って抱かせてもらったり写真を撮ったり、雪かきをしたり、それ以外は何をしていたかなあ。


というようなこと以外は本を読むか、曲をいじるか。と、いっても昨日ほんの少しと、さっきからちょっと・・・。
曲をいじる、というのは楽譜をパソコンに打ち込むことで、今日やっているのはディヴ・ブルーベックの「トルコ風ブルー・ロンド」をやっていて、これが、私見ではすばらしい。と、いっても私が作っている楽譜がうまくいくとは限らず、打ち込んでいると曲のすばらしさがわかる、ということ。
アントニオ・カルロス・ジョビンでも思ったけれど、このような半音がたくさん混じった音階が、見事に展開していく感じ、何かガラスでできた建築物のなかをわくわくしながら歩いていくような・・・。ジョビンは楽譜を少しなぞっただけでほとんどあきらめている。「ワン・ノート・サンバ」をちょっと作ったけれど・・・。
ジョビンの曲が短い中で変化を楽しませてくれるのとは違って、ディヴ・ブルーベックの場合は繰り返しがとにかく多いのだけれど、そもそものリズムが変拍子のように感じられる引っかかりを持っていることで飽きないですむどころか繰り返しが心地よい。ジョビンの場合はシンコペーションの自在さで、数小節の中に変化があるけれど・・・。
とはいえ、どちらも面白い。


昨日いじった曲はなんだったかな。クラシックで・・・いや、打ち込みをやっていたのではなくて、ネットでフリーで落とせる楽譜を気になるものを落とし、それをYouTubeで見たり、楽譜でなぞってみたりしていた。ヴェルディ弦楽四重奏曲なんて珍しいものがあって、けっこう面白かったけれどさすがに難しそうだった。先だってはシベリウス弦楽四重奏曲も同様にチェックし、やはり良さそうだったけれど難しそうだった。ハイドンの「皇帝」2楽章はさすがに堂々としたすばらしい曲のようだけれど、さすがに簡単ではなさそうで・・・ドヴォルザークチャイコフスキーに適当なものはないかなあ。シューマンシューベルトとか・・・。あ、ブラームスの弦楽4重奏曲は考えたことはなかった・・・そういえばブラームスなら5重奏曲のほうが有名か。「アガーテ」・・・そんな楽譜もタダで手に入る様子。ただし、プリントして、ポケットスコアを買うより安いかどうかはわかりません。
少しは昨日も打ち込みをしたような気がしたけれど・・・ドビュッシーの「レントより遅く」だった。「アラベスク」の1曲目は先日手をつけて・・・ひどいのはブラームス交響曲第4番の第4楽章というものにも手をつけたけれど、これができあがることはあるだろうか。
ベートーヴェンの「月光」ピアノソナタの1楽章、最近だと思っていたら10月に・・・。バッハのオルガンのための「パッサカリア」とか、無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータの「シャコンヌ」とか、恐ろしいものがたくさんある・・・。ドヴォルザークのスラヴ舞曲の第16番(有名なのは10番)とか・・・。



あとは本を読んでいたのだけれど、数日間は主に26日に買ったマンガと・・・音楽の本。
菊地成孔の、「東京大学アルバート・アイラー―東大ジャズ講義録・キーワード編」の文庫版。これは後編にあたって、前編にあたる歴史編を探したら行った書店2件になかった・・・。菊地成孔の本は「憂鬱と官能を教えた学校」に続いて2冊目。そちらより専門的ではなく、読みやすい。
・・・これが本当に面白い。アメリカのポップスの歴史、というか、ほぼポップスの歴史だな。ブルースとか、ジャズというものを中心とした商業音楽の歴史が透視図で見るように見渡せてびっくり。普通の、たとえばビング・クロスビーとかマイルス・デイヴィスビートルズも出てくるけれど、ケージやクセナキスなんかも出てきて、あと、いろいろ・・・それが知っているものも知らないものまでもいちいち腑に落ちる。なんていうか、こんな言葉の使い方は嫌だけれどラディカルなイノベーターをきっちり押さえて構造的(?)変化の画期がはっきりしてくる気持ちよさ。その変化の中身も要点を衝いた言葉でさらっと表現していて、目が醒めるような・・・。
いままであまり人が聞かないような音源をちょこちょこ追っていたことが、この本を読んで楽しめることにつながったし、さらにこれから音楽を聴く楽しみもまだまだ残っているという気にさせられた。全然知らないことも多いにしても、モンクやケージ、コルトレーンなんかも聴いてきたことが・・・当てずっぽうではなくて、要点をそこそこは押さえていたようでもある。なんか、ほっとしたようでもある。
ディヴ・ブルーベックなんかは出てこないようだけれど。それはそれとして・・・。
菊地成孔を知ったのは大友良英からで、大友良英は結構良く聴いたけれど菊地成孔はほぼ著作を読んでいるだけ。この後編では大友良英がゲストで出てきて、ちょうどそこにさしかかったところ。これから佳境に。わくわくする。



という感じで今年も終わるようだ。
明日は少しは彫刻もやって、来年につなげよう・・・。