荒川修作さんについて

荒川修作さんが亡くなっていた。「さん」を付けるのは変な気がするが、付けないのも落ち着かない。5月に。73歳だったようだ。さっきたまたま知った。


けっこう大規模な個展を、たった2度ほど行った東京の、どちらか1度で、見たことがある。確か「意味のメカニズム」というタイトルで、訳がわからないと言えばそうだし、でも何かいいような感じといえばそうだった。畳大くらいの縦型の作品がたくさんたくさんあったような印象がある。図録を買ったのだが今はすぐに出せるところにはない。「エピナール・プロジェクト」だったかな、身体に無理をかけるというか、不自然な体勢でなければ通れない橋といったような建築的なプロジェクトの実物大模型(?)もあって、作家の意図通り無理して通ってみたような記憶もある。
そういうものは一般的な、美しい、という感覚とは少し違うようだったか、確か仙台の、いや岩手だったかな、東北の美術館で、あれは常設展示ではないのかなあ、大きな壁面一面の大きな作品は、本当に美しいと思った覚えがある。
個展の方は20歳頃、東北で見たのは22歳の時だったはずだ。


養老天命反転地」が知られているだろう。あとは、「三鷹天命反転住宅〜In Memory of Helen Keller〜」が、日本国内では。そのあたりでは、宮崎駿との対話があって、なにかかみ合わない感じだったが、宮崎駿関係のムック本(?)に登場したりなどしていて、妙な感慨を覚えた記憶がある。
そのムック本は買ったはずだが、対談をちゃんと読もうと思ってそのままになっている。それから、12、3年は少なくとも経っているはずだ。


「死なないために」という著作もある、と、書いた途端に先をどう接げばいいかわからなくなった。どんなことが書いてあるのだろう。
そんなこともあり、実感が持てない。


日本人の20世紀的な、あるいは世界大戦後の現代美術作家を代表するひとりなのだが、ほかにもそういう人がいなかっただろうかと思い出そうとして思い出せない。岡本太郎も有名、国内では荒川よりずっと有名なのだけれど、もっと難解な荒川のほうが現代っぽい。あとは、河原温がいるか。
その後、村上隆が有名なのか。うーむ。

死なないために

死なないために

意味のメカニズム

意味のメカニズム